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    2012年01月06日

    「ぼくはお金を使わずに生きることにした」

    ここ数か月、フィクションを読む気になれない。
    という制限で本を選んでいるせいか、
    最近本当におもしろいと思う本に全然出会えていなかった。



    ぼくはお金を使わずに生きることにした [単行本] / マーク ボイル (著); 吉田 奈緒子 (翻訳); 紀伊國屋書店 (刊)

    「ぼくはお金を使わずに生きることにした」
    Mark Boyle (著) 吉田 奈緒子 (翻訳) 紀伊國屋書店

    この実験で証明したいのは、お金がなくても「生き延びられること」ではなく「豊かに暮らせること」だ――
    1年間お金を使わずに生活する実験をした29歳の若者の記事がイギリスのテレビや新聞で紹介されるや、世界中から取材が殺到し、大きな反響を呼んだ。著者は、不用品交換で入手したトレーラーハウスに太陽光発電パネルをとりつけて暮らし、半自給自足の生活を営む。手作りのロケットストーブで調理し、歯磨き粉や石鹸などの生活用品は、イカの甲を乾燥させたものや植物、廃材などから手作りする。衣類は不要品交換会を主催し、移動手段は自転車。本書は、彼の1年間の金なし生活をユーモラスな筆致で綴った体験記である。貨幣経済を根源から問い直し、真の「幸福」とは「自由」とは何かを問いかけてくる、現代の『森の生活』。世界の10の言語に翻訳され、14か国で刊行。




    新年早々おもしろい本を読めて、とても幸先がいい!
    平積みにしていてくれた書楽阿佐ヶ谷店、本当にありがとう!
    この、手に取るのがはばかられるくらいインパクトのある表紙を見なければ
    買わなかったとおもうから。

    節約生活の本ではない。
    金銭授受でなりたつ(というか狂った経済に振り回される)生活をやめて、
    必要なものは自分で作ったり、持っている人にシェアしてもらったり、
    自分が持つものは分け与えたり、新しい生活の骨組みを作っていく
    実験についての体験記。

    多くの人が考えたことはあるけど、
    大きすぎて自分にどうにかできるとは思えないから目をそらし続けていた問題を、
    自分の問題として考えられるように噛み砕いて語っている。
    さらにそれを大上段でも偉そうでもなく、
    好奇心と良心に基づいて、すごく楽しそうにやっている様子が
    本当にいい。読んでいて気分が良くなる。
    そう思える文章になっているのは、翻訳の素晴らしさでもあると思う。
    翻訳者が原文を愛しているのを感じる。

    私は、自分がいかにお金にがんじがらめにされていたのかに気付いた。
    お金を使うことについてちょっと意識してみると、
    本当に私は絶えずお金を使っているし、
    ちょっとでも時間があればお金を使いたくてしょうがない、みたいな振る舞いをよくしている。
    だからお金を稼ぐほうにも、関心が尽きない。
    だけどそうして買ったものを、開封もしないで部屋の隅に置きっぱなしにしていることもままある。

    そういう自分の無駄な動きも、ここ数年ちょっと落ち着いてきたように思うんだけど
    (物がほしいと思わなくなってきた。なるべく所有したくないなーと思うようになってきた。)
    じゃあ自分のエネルギーを何に費やせば穏やかな気持ちでいられて、
    子どもたちの世代に今よりいい環境を引き継げるのか、
    そのことへの答えの一端をこの本の中に見た。


    なにかを正しいと主張するために、
    もう一方を間違ってるって主張するようなことに、
    もうつかれた。

    だから、愛と感謝とユーモアをもって
    現実と理想をフラットに見つめる著者の視線が、
    「こういう見方をすれば世界はもっと楽しい場所になる」
    っていうヒントみたいな気がした。
    そのメガネを持ってすれば世界がもっとおもしろくなるような。

    頭と心と手の間に矛盾がない生活に、
    近づいていきたいものです。
    posted by リョーコ at 16:16| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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