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    2011年09月16日

    親を亡くすということ

    8月29日に、
    父が亡くなりました。
    56歳でした。

    あと1日、生きてくれたら
    57歳になるところでした。

    遺影には、5ヶ月前に一緒に行った箱根で
    私が撮った写真を使いました。
    お父さんは、ずっと笑顔。
    iei.JPG


    最初に父のがんがわかったのはおととしの冬。
    それから手術、抗がん剤治療をして、一時は本当に元気になった。
    もしかして骨転移しているかもしれないと言われたのが今年の6月。
    それからたった2か月で他界するなんて、
    本人も思っていなかったと思う。
    最後まで、余命宣告はされなかった。



    とにかく熱い人だった。
    子どものころはよく怒鳴られたり、殴られたりした。
    私が小さいころは町中でケンカして、警察に連れてかれたこともあった。
    出掛ければ、お店の人にしょっちゅう説教していた。
    2時間説教して、最後はお店の人にお礼を言われたりもしてた。

    涙もろくて感動しやすい人だった。
    ドラマでも映画でもよく泣いていた。
    私の結婚式は多いに酔っぱらって、真っ赤になりながら泣いていた。

    会社を経営していて、仕事がすごく好きだった。
    仕事は楽しい、素晴らしいものだといつも言っていた。
    だから私は、早く働きたかったし、働くのがとても好きになった。
    でも仕事と同じくらい、家族のことが大好きな人だった。
    家族だけじゃなくて、人間がすごく好きな人だった。



    父ががんになったときから、
    人生ってなんでこんなにつらいことがあるんだろう
    こんな思いをしてなんで生きていかなきゃいけないんだろう
    とずっと思ってた。
    でも、亡くなったときのショックは
    それまでの比にならないくらい大きかった。
    亡くなった日より後は、景色が全然違って見えた。



    親を亡くすというのは、
    自分の中の時代がひとつはっきり終わるってことだと思った。
    愛されて守られていた、子どもの時代がはっきりと終わった。



    ゆっくり悲しむ間もないくらい、
    初めて自分が当事者になる葬儀は大変だった。
    そしてお墓のことや、残された会社を継ぐ弟、
    それを心配する母を見ていると、
    死の事実が何倍にもつらく感じられた。
    こんなに長い一週間は生まれて初めてだった。



    そして、正直
    天寿をまっとうして、という年齢じゃなかったから
    すごく悔しかった。
    気持ちはわかるよ、と言ってくれる人もいたけど
    80代、90代で亡くなった人とは
    やっぱり違うと心の中では思ってた。
    誰かの悲しみを完全に理解するなんて
    絶対に無理なんだとわかった。
    私も、ほかの誰かの悲しみを100%理解することは
    絶対できないんだとわかった。
    そして、他人の悲しみに寄り添うには
    どうしたらいいんだろうと考えていた。
    全部をわかってくれたわけじゃなくても、
    でも、人からの言葉や、気持ちや、ふるまいに
    一番心を慰められたのも事実だから。



    母と弟たちを守らなきゃ、とずっと考えてた。
    母と弟たちを守るために自分になにができるか。

    いろいろ考えたことを大ざっぱに総括すると、
    私はもっとお金を稼ぎたいってことと、
    もっと子供をたくさん産みたいってことを思った。
    生きるのにも死ぬのにもお金はかかる。
    そしてお金で守れるものも、たくさんあった。
    そして、息子がいると、
    こんなつらい中にいても家族が笑顔になれた。
    今までしたことでいちばん生産的で大事な人に喜ばれたのは、
    子供を産んだことだったなと思った。

    兄弟がいて、本当によかったと思った。
    弟たちと、今までの楽しかった父との思い出や、
    母を支えるためのことを泣いたり笑ったりしながら、たくさん話した。
    心強かった。
    それで、息子にも早く兄弟を産みたい、産まなきゃと思った。

    そのふたつが手段で、目的はひとつ。
    残された家族と今まで以上に、仲良く楽しく暮らしたいってこと。



    死ぬことについて本気で考えたら、
    生きることでの課題ばかり鮮明に浮かんでくる。



    お父さん、ありがとう。
    posted by リョーコ at 00:53| 東京 ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
    この記事へのコメント
    私も4ヶ月前に62歳の母を亡くしました。
    父はいないので、たった一人の親でした。
    姉が居ますが色々あり疎遠です。
    天涯孤独になってしまいました。

    いつもいて当たり前で、
    暖かくどんなに馬鹿な娘でも
    愛情いっぱいに守ってきてくれました。

    こんなに苦しいことが待っているなんて
    思っても居ませんでした。

    リョーコさんはお母様がいるので
    お父様にできなかったことを
    親孝行してください。
    親孝行できるうちが幸せなんだなって
    今頃気付いてしまいました。
    Posted by あおいろ at 2011年10月03日 10:01
    コメントありがとうございます。

    父がいなくなったことで
    母や弟たちと過ごす時間の長さや密度が
    とても増したのを感じています。

    そして生きていた時より、
    父のことを考える時間が増えたなとも思います。

    亡くなってから4か月たつ今もつらいですが、
    おかげで自分自身の命が有限だということも
    毎日意識するようになりましたし、
    そのために悔いを残さないようにどう生きればいいかも
    日々考えるようになりました。

    一生懸命、自分の命に悔いがないように生きることが
    もう肉体のない親へできる親孝行なのかもしれないという思いです。
    Posted by リョーコ at 2011年12月31日 16:29
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